今年の初めに書き下ろした朗読脚本【阿部定】は、朗読舞劇として2月14日に濃厚バレンタインデーとして初演を迎えました。
そして来たる5月13日の2回目の公演は、たしか【身毒丸】以来 5年ぶりの道後ミュージックさまで上演させていただきます。
史実の人物を描く時、拙作である【白い娼婦 ハマのメリー】もそうなのですが、いかに史実に沿いながら、かつ私らしさを織り込めるか・・・ということを大切にしています。
阿部定はハマのメリーとは違い、阿部定本人の手記の他に沢山の人が本や映画や漫画にしています。
全部には目を通せていないけれど、多くの作品を拝見いたしました。しかし、どれも阿部定の「心」に迫ったものはないように思い、最もセンセーショナルに語られる「事件」のこと、そして定と吉蔵の情交について以外が、あまり語られているように感じませんでした。
当然と言えば当然なのですが、本人の手記が最も興味深く、どの小説や映画もそれに勝るものが私の中ではありませんでした。
「事件」には、「なぜ」それが起こったか、というのが大前提にあって、そこを描けないと「物語」にはならず、とにかくその事件が起こるまでの道のりを丁寧に阿部定さんの心情に迫って描き切りました。
阿部定の作品は、多くのものが男性作家さんや男性映画監督が描いているものがほとんどですが、阿部定さんと同性だからこそ理解・共感し描いた部分を是非ご覧頂き、何か感じて頂けたら嬉しいです。
朗読に合わせて身体表現をされるのは、奇跡の舞踏家・飯干未奈さん。
朗読舞劇【阿部定】のプロデュースもしてくださっています。
未奈さんにしか表現出来ない阿部定は、目が釘付けになることは間違いありません。
また、作品を盛り上げてくださる音楽を担当されるのは、ギタリストのショルヘーノさん。
私の描いた阿部定の世界には定以外に主には2人の男性が中心となるのですが、2人ともなんとも色気のある男を想像して描いたのですが、まさにショルヘーノさんはその色を見事に表現してくださっているのです。
舞×ギター×朗読劇
熱い掛け合いを是非ご覧下さい!
mihiromy
昭和11年。東京。
2.26事件後の戒厳令下。
情痴の主人殺し
滴る血糊で「定、吉二人」
男の陰部を切取り殺害した有名な阿部定事件の裏には、多くは語られていない切ない恋愛ドラマがあった。
これまでの小説や映画には語られない、阿部定本人の手記を元にした新解釈版
朗読舞劇【阿部定】 道後公演
■公演日時
2023年5月13日(土)
開場 14:30
開演 15:00
■出演
飯干未奈
mihiromy
ショルヘーノ
■料金
¥4,000
■会場
ニュー道後ミュージック
〒790-0842
愛媛県松山市道後湯之町18-1
089-933-2639